短編小説

お気に入りのぬいぐるみ

優美香の家は両親が共働きで、いつも家の中では一人だった。 物心ついたときには、その状態だったので特別寂しいとは思わなかった。 その理由の一つとして、優美香は5歳の誕生日にクマのキャラクターのぬいぐるみをプレゼントされたことがある。 当時は抱きしめられるくらいの大きさのぬいぐるみは優美香の心の隙間を埋めた。
短編小説

いきなりラストバトル

その日、俺は世界の命運を、その手に握らされる羽目になった。 唐突に。強引に――。 俺の名前は二宮《にのみや》蓮《れん》。 ごく普通の、友達が少ない高校生だ。 ここで注意してもらいたいのだが、友達を作らないのではない。
短編小説

いいわけ

「蒼馬《そうま》、同窓会があるんだけど、今回は出るでしょ?」 電話越しにそう言ってきたのは、高校まで仲が良かった相沢《あいざわ》紬《つむぎ》だ。 家でゴロゴロしてたところに、いきなり着信があったので、つい名前を確認せずに取ってしまったのが間違いだった。
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